バックナンバー>>2006年11月17日

今回のテーマは
『ベスト・オブ・ディフェンス』です。

自分がスズメ蜂であると気づいたのはつい最近。本家へ無造作に近づく大きな動物がいて、怖くて怖くてたまらないから、身内を集めて刺しまくったところ、すぐにその動物は動かなくなった。その毒といい、集団で攻撃するこの組織といい、スズメ蜂独特のものであるから。

自分の何十倍もある動物を簡単に殺せることに自惚れ、周りの身内組織も皆気づいている。『攻撃』の裏には、"ひと踏みされたら死んでしまうかもしれない"という究極の恐怖が確実にあり、その思いがいくらでも毒針を相手に差し込ませる。

「あんな大きい動物、怖くて怖くてたまらない」

見張り役から攻撃要請の合図があると、誰もがこの恐怖と戦って攻撃に行く。集団でなきゃ絶対に無理だ。これも自らの"弱さ"の表れだろう。

でも私にも妻がいて、子供がいて巣で待っている。守らなくてはいけない。

そしてより環境の良いところに巣を作らなくてはいけない。弱くて弱くてたまらないから、他の動物の革命を利用することが生きるために必要だからだ。

大きな動物たちが、巣のすぐ近くでなにか大きなものを作り始めた日、見張り役からの攻撃要請が合った。いつものように「怖くて怖くてたまらない」から集団で攻撃に向かう。巣を守る最終部隊を残して。攻撃/守備において最強だと思ったこの組織が、その時初めて壊れた。

大きな動物が何かに火をつけたと思った瞬間、我々は羽根が思うように動かなくなり、さらに怖くなってなんとか大きな動物に毒針をたくさん差し込もうとするが、白い固い生地で覆われていて全く刺せない。いつもはその種の大きな動物には上の方に黒い"刺しどころ"があるのだが、それがどこにも見当たらない。さっきの火をつけたものからの臭いと煙は確実に我々の筋肉を蝕み、羽が全く動かなくなった。

遠ざかってゆく記憶の中で、愛すべき妻と子がいる巣が無残にも運ばれていっている。これ以上無いくらい傑作だった我々の城が白い衣をまとった大きな動物達により消えてしまった。


スズメ蜂は死ぬ時に皆初めて気づく。"本当に守りたいものがあるのなら、戦ってはいけない"ということを。。。

以上、『脳のディフェンスで精一杯〜「また、認知君にやられた・・」〜』管理人でした。

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